猟師を始めてから6年近くが経ちました。
猟を始めてからShujiworksフィールドワークの一つの柱となっていたのは捕獲され解体された皮の有効利用の模索。
革を扱う者としてなにかできないか試行錯誤を繰り返しておりました。
そして昨年にやっとこれだというものを見つけました。
それは、
「鹿皮を使った羊皮紙」
しかし羊皮紙と言っても、自分が理想とするものは一般的に出回っているものと少し違います。
鹿皮だからこそ出来るモノ。
イタリアで羊皮紙工房を訪れたこと。日本鹿が持つ皮の特徴と歴史。羊皮紙に関わる文献を読み漁り知り得たこと。
そして猟で捕獲解体した鹿皮で羊皮紙を作ってみたこと。
いろいろ合わさって行き着いた気がします。
そしてせっかくだし良いモノを作ってみようと思いました。
有害鳥獣で捕獲され解体された鹿皮の多くは廃棄焼却されております。
一部が東京都や兵庫県などで革として鞣されています。
しかし革として利用するには、かかるコストや鞣された革を加工するための技術を有した人材が必要でありなかなか高いハードルです。
鹿もせっかくだから捨てられずに利用してもらえたら。
そんなことをぐるぐると考えていたら、羊皮紙を試してみたくなったのです。
そんなこんなで製作を始めて7カ月が経ちました。
2019年6月までに何だかんだで、鹿皮の羊皮紙作り実験は第10回目を終えました。
多くの方に協力と助言をいただき、第十回目まで製作することが出来ました。
あとは仕上がりのクオリティーを上げる段階となってきました。
塩で保存された鹿皮
ぐるぐる機械が回ります。
これが毛を抜いた鹿皮。
だいぶ力仕事もあります。
足を使い、大学の先生などの専門家の方や各地域の自治体、猟友会で活動している猟師さんたちのお話を聞きに行きました。
自分一人では乗り越えることが出来ない事を教えてもらいながら、組み上げていきます。
まだまだ自分自身足りない部分もありますが、協力をしてくれる方も増えてきました。
今後、見えてくるあらゆる問題点を解決しながら方法を改善していくこととなります。
それがゆくゆくはいろんな人たちの手に取ってもらえるようなものにできるように。
やってみなければわかりませんが、試す価値は有ります。
もちろん楽しいのが大前提ですが☆
shujiworksのフィールドワークは、これからも実験続け、次の春までには小さくはあるのですがこのプロジェクトを動かしてみようと思います。