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手縫いのこと

手縫い

HAND SEWN

手縫いにこだわる

  • 手縫いのこだわりというと技術を追求し続けることでもあるのですが、ここで一番に大切にしていることとは少し違います。
  • 毎日おいしいご飯を作るように、洗濯をするように、自然に生活の中で革モノを作れるようになること。
  • 特別なことでなく生活の一部になること。
  • 大切なひとやお世話になっているひとへプレゼントを作ったり、大事にしている革モノや身近な人の革モノを修理したり。
  • 自身の手で一針一針縫ったものは丈夫で長持ちします。
  • 日々の使用で少しずつ擦り切れたりほつれたりもしますが、修理をしながらメンテナンスをしながらこれからも使い続けていけます。
  • そのためにはもちろん手縫いの技術も大切です。
  • 革は生きていた素材。生地みたいにすべてが均一に整えられた素材ではありません。
  • 革に向き合い、よく観察し革を裁断します。
  • その革を重ね、カタチに合った縫い方で、一目ずつ縫い進めます。
  • 時間はかかるけど、大がかりな機械がなくても手と少しの道具があれば、自分に合った革モノを作ることができます。
  • そのための手縫いです。
  • いろんな手があり、思いがあります。
  • こだわりは技法ではなく、「生活の知恵」になることです。


手縫いの種類

  • 手縫い製法にはよく使われる4つ縫い方があります。平縫い・拝み縫い・駒縫い・チドリ縫いです。
    4つの縫い方は飾るための縫い方でなく、カタチに組み上るために使われる技術となります。
    この縫い方を覚えることにより幅広い革モノ作りをすることができます。例えば駒縫いを覚えると箱モノ(トランクなど)を製作できます。
    また修理や自分に合った革モノにリメイクする可能性も広がります。例えば革が裂けてきた持ち手をチドリ縫いで革を巻いて修理できます。
    縫い方の特徴をしっかりと押え、応用も考えられるようになれば、いろんなカタチに挑戦していけます。
    覚えなくちゃいけないものではないけれど、覚えたほうが楽しいので書いておきます!

  • 平縫い

      ■ 平らな部分を上糸と下糸を交差させながら縫う製法

    • よく使われる縫い方で、革を平らに重ね合わせ上糸と下糸を交差させながら縫う製法。
      菱目打ちで穴をあけ、固定しながら縫っていきます。写真のベルトは平縫いのみで製作します。
      最初に覚えてもらう縫い方で、糸の種類や太さや色、縫い穴の感覚を変えたりし楽しむことができます。
      ちなみに糸を自分で縒って縫うこともできます。
    • 平縫い



    拝み縫い

      ■ 革と革の断面を張り合わせ、縫い合わせていく製法

    • 張り合わせた断面と平行かつ対称に縫い穴をあけます。
      裏革に縫い穴が空きません。(縫い穴が貫通していない)
      穴あけをしたらヒシギリを用いて、対称の穴と穴を繋げてながら縫っていきます。
      平縫いと違い上糸・下糸でなく左糸、右糸になります。
      裏側に貫通する縫い方でないので修理に向いています。
    • 拝み縫い



    コマ縫い

      ■ 革と革を直角に縫い合わせていく製法

    • 平縫いの次によく使われる縫い方で、革と革を直角に縫い合わせていく製法
      箱もの(トランクや馬蹄小銭入れなど)を製作するのに使用します。
      菱目打ちで穴あけをした革と革を直角に張り合わせ、ヒシギリで穴を繋げていき縫っていきます。
      革の厚さや縫い穴をあける端からの距離が大切となります。
      立体のものの製作に向きます。
      平縫いでは製作できないものも製作できますので、知ってほしい縫い方です。
    • コマ縫い



    チドリ縫い

      ■ 野球ボールなどの縫い方で革と革を突き合わせ一目ずつ引きながら縫っていく包むことに向く製法

    • 身近な例でいうと野球ボールの縫い方でう。革と革を断面同士突き合わせ一目ずつ引きながら縫っていきます。
      縫い穴の始まりと終わりを合わせ、突き合わせた面に平行に縫い穴をあけていく。そのとき半目ずつずらしてあけます。
      モノを包むことに向く製法です。革モノ製作以外にも使用できる可能性がある縫い方です。
      主に鞄のハンドル製作や持ち手に多用されています。

    • 千鳥縫い