アイヌ民族の革モノ -I know Ainu race leather things-
北海道にアイヌ民族と呼ばれる人たちが生活をしていた。今もカタチを変え、アイヌの文化は生き続けている。
大人になってアイヌ民族のことを知り、雪国の地に生活することや狩猟、採集をする生活に思いを馳せた。
北海道に行く機会があり、アイヌ博物館で、皮ものと革ものを見た。(皮と革は鞣しをしているかしていないかの違いです。)
アイヌ民族は北海道の厳しい寒さに立ち向かうために、革(皮)を積極的に利用していた。
日常に使えるように皮を革に加工することはとても大変なことで、貴重なものでした。皮のまま使うということもあったそうですが、脂を入れたり揉んだりと大変さは変わらないようでした。
とても貴重なものだから、先祖が作った革ものを子孫が大切に使う。ハレの日のために家族が幸せや健康を願い、革にして加工し日用品を作る。
生活の中に深く入り込んだ革ものたち。カムイというアイヌ独特の万物宿る神の思想からも革ものという日用品がどれだけ大切にされていたかが解ります。
現代の革ものの扱いからすると考えさせるものがありますね。
サハリンのアイヌが使っていた「ホオコ」という獣皮衣。
毛皮を繋ぎ合わせたもの。
もしかしたらミョウバン鞣しをしているかもしれません、皮なので。(毛が傷まないためこの方法を取ることが多かった。)
こちらは鹿皮のように見えます。
毛付きではなく革で出来ています。
刺繍が施られており、とても素敵なデザインです。刺繍を施すことにより魔除けをするという考えがあるそうです。
革なのか魚の皮を鞣したものなのか迷う素材で出来た靴です。
鮭やマスなど魚の皮も使った衣服もあります。
寒い地域の靴はとても大事なので、作りもしっかりしています。現代で言ったらモカシンの様な作り。
アイヌを含む北方民族全体を表すオロチョンという表記がされていました。
こちらの刺繍も素晴らしかった。
大切に作られた革モノということが良く伝わってきます。
猟をして生活をしていたアイヌの人々。
移動が多いため大きめの鞄やバッグが多い印象を受けます。
鹿、熊、キツネ、ウサギ、アザラシなどなど。
アイヌの近くにいた動物はすべて利用されているんだなぁと思いました。
用途だけでなく、魔除けや民族独自の思いを載せたデザインがなされています。
デザインって改めていろんな要素の上に成り立っているものだと感じます。
意味を求めすぎたくはないですが、意味があるものを作れるようにはなりたいです。
こちらは革製のざぶとん。
雪国は座ったら接地しているところから冷えていきそうですもんね。
唐草のような刺繍。どんな意味が込められているのか。
アイヌの文化に触れ、いろんな革モノたちを見ました。
革のモノを持つということはその動物の精霊に守ってもらうという意味もあるそうです。
革が生きていた動物の力を宿しているんだと改めて考えさせられました。
今の時代だからこそ、もっと革に対して敬愛と畏敬の念を忘れないようにしなければいけないなと思いました。