どの産業分野でも中心地とされる場所が存在しています。
革の分野では、中心地はイタリアと思っています。
もちろん他国にも有名タンナーを抱え、特色ある革製品を作る場所はありますが、イタリアは一つ頭が抜きん出ている気がします。
そんな革の中心地で開催されているのが、「リネアペッレ」という国際皮革見本市です。今年はミラノで開催しました。
ここは皮革を主素材にした鞄や靴など製品作りの素材や機械などを展示 商談する場所。
イタリアをはじめ40を超える国が参加し、来場者数は2万を超えているそうです。
shujiworksがここに来た理由、それは「世界の皮革の今を知ろう!」です。
皮革に関わる知識をもっと学びたい、中心地を見渡し見識を拡げもっと面白いに繋げたいと考えました。
リネアペッレをまず知ることから始めようと思ったわけです。
もし商談するとしたら全部見て回り、力を注ぎたくなるくらい魅力的な人やモノに出会えるかにかかってます。
各ブースに会社の代表の人がおり、自分たちの作った皮革や金具や芯や機械などを紹介しています。
どの製品をみても切磋琢磨、時間をかけて作ったものだから、プライドが詰まっていて話していると会話からにじみ出てきます。
どうすれば一番よく見えるか、どうすれば一番伝えることが出来るかを入念に練っていることを感じます。
今まで見た皮革展示会はどちらかというとほのぼのと感じるのですが、ここはピリピリと各プロフェッショナル達が真剣勝負をしている空気が漂っています。
会場が広いためなかなか全部を短時間に見て回るのは大変です。リネアペッレ経験者の方曰く一日ではまわり切れないよと。
でも、時間がない人のためにリネアペッレでは上記写真のように各社がどんなものを作っているかを紹介するブースが有りました。
ここで気になる会社を見つけ、実際のブースに見に行くという流れとなります。
ブースでは革の展示があり、気になる革があったらその革の鞣しや染色、加工のことを聞くことができます。
商談的には、必要最低ロットや納期や手順などを聞きます。
購入したいと思わせる皮革はたくさんありました。なので気になるところをどんどん伺いました。
今回はイタリア語を話せる方が2名同伴していただけましたので、安心です。
皮革の製品紹介以外にも、皮革をパンチングレザーにしたりネット状にしたりする加工の展示ブースもありました。
革をわざと傷つけたり、染めたりしたエイジング加工。
アイロンやスプレーにより光沢を調整する加工。硬さも変化します。
加工に手を出したらただでさえ皮革という素材は多種多様なのに、無限の素材が出来ます。
これだったら何を作ろうかなーあれだったらこんなの作ろうかなーとついつい夢想しながらみてしまいます。
自分たちはあまり使わないのですが、毛皮のブースもありました。
毛皮は扱い方も時には鞣しさえ違うのでなかなか難しい分野。
(毛の品質を考えるとクロム鞣しにするより、ミョウバン鞣しにした方が良い的なお話です)
最近では副産物(お肉を食べるために育てて、その副産物として皮革を作る)である皮革自体の風当たりも強くなりつつある時代。
こちらはまだまだ勉強不足と感じつつ、隅から隅まで見させていただきました。
リネアペッレを見て感じたこと。
やはりイタリアのコンチェリア(日本で言うタンナーさんのこと)の技術に感服です。
なんでこんなに魅力的な皮革を作ることができるんだろう。特に植物タンニン鞣し協会に関わるコンチェリアの皮革のすごさが目立ちました。
どれもこれも気になる革ばかりでした。日本のタンナーさんとなにが違うのか疑問がどんどんと積みあがりました。
水なのか原皮なのか脂なのか鞣し材なのか、はたまた風土なのか。
しなやかでコシもあり、皮革らしさを残しつつ発色のよい色を出す。なかなか難しいこと。相反するものがあるので。
さすが世界で名を馳せているコンチェリアはすごいなと思いました。うん。
世界の皮革事情を無事見て回ることが出来ました。
あれやこれや気になることがたくさん湧いてきました。日本に帰ったらまたいろんな人を訪ねて歩き、話を聞かなくてはと強く思いました。
またいまの自分を見直す事、これから戻ったら日本で出来る事などいろんな計画の種が頭をぐるぐる回りました。
リネアペッレにきて本当に良かったと思います。世界を押し広げてくれる感覚がありました。
また面白い事考えられそうです☆彡
今回のリネアペッレにてご縁があり、コンチェリアに伺うことが出来ることになりました。
次回はコンチェリアについてです。
イタリアは会って気持ち良かった人は誰でもウェルカムな気がしました。日本はなかなか難しいイメージです。
日が合わなくて難しいと言われたコンチェリアさんも合えば是非との事でした。
あーデカいなーと素直に思いました。
それだけ自分たちの仕事に誇りと自信があるからかなと。