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2019-08-12

エゾシカをタンニン鞣しで皮から革へ -Challenge to make effective use of Hokkaido deer-

少し前のお話。

北海道にある西興部村という場所に行きました。

西興部村は北海道の北側(旭川から3時間程)のところにある自然豊かな場所。

ここでは猟で取れた皮(主にエゾシカ皮)をドラム(皮を革に鞣すときに使う大きな洗濯機みたいなもの)を使ってタンニン鞣しをおこなっている日本で唯一の自治体です。

鞣し業者さんというわけではなく、廃棄されている鹿皮の有効利用を考え独自にドラムを設備し鞣しを始めたそうです。

鹿皮の活用がいろんな地域で考えられ、姫路や墨田区の業者さんに鞣しをお願いすることが主流となっておりますが、ドラムをかかえ廃液も考え手間もかかるタンニン鞣しを試みているのはとても画期的です。


以前から訪れたいと考えていたのですが、なかなか日が合わず一年越しとなりましたが、行くことが叶いました。

igotaさまに案内をしていただきお話しを聞かせていただきました。

ご本人も猟をされており、解体から革にそして製品しに販売するまですべて行っているそうです。

西興部村は日本で一番猟期が長い所でもあります。関東でしたら通常は11/15~2/15の3カ月が猟期となります。西興部村はなんど7カ月も猟期があります。倍です!

その分、鹿皮の取れる量もあるので無駄にならないように村おこしにもなるようにドラム設置を決めたそうです。

タンニンを皮に浸透させるための桶です。

タンニン入れはドラムではなく、タルを使用してピット槽のように使用していました。

ピット槽とは濃度のちがうタンニン剤が入った槽の中に薄い→濃いの順番に入れて皮から革にする場所になります。

ドラムという機械です。

中にダボという突起があり、ぐるぐる回ることにより皮に薬品を浸透させていきます。

皮を柔らかくすることもできます。

皮を鞣すときには必須と言われるくらい便利な機械です。

タンニンで鞣された革を板張りにして乾燥、平面にしている作業です。

動物は3次元です。皮を取ると皮自体が3次元のカタチをしているので、板張りをすることにより平面にし革として仕立て易いようにします。

板張りに来る前には、解体作業 → 裏のお肉や脂肪を取る作業 → 脱毛作業 → カルシウム分を抜き、タンニンが入りやすいようにph調整 → タンニン鞣し → 乾燥(板張り)があるそうです。

その後に、ヘラがけ(革を柔らかくする作業)やオイル入れなどもあります。

鹿以外にも熊も鞣していました。

毛も傷んでなく上質な毛皮となっていました。

手間暇はかかるそうなのですが、質がよく皆さまにもっと伝わると良いなと思いました。


森で生きている動物たちの一部を無駄にしないため、いま日本のいろんな地域で試行錯誤しています。

素材のこと、森のこと、猟師のこと、自治体のこと、解体所のこと、生ものの移動と保存のこと、タンナーのこと、出来上がった革のこと、作る人、使う人考えなくてはいけない事はたくさんあります。

少しでも無駄にならないように、活用できる方法を探して行けたらなと思います。

見学させていただきました、西興部村のigotaさまとてもありがとうございます。

また来年に伺い、出来上がった革を見せていただきに伺います。

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